『奈良のシカ』 天然記念物


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奈良のシカ 《基本情報》

名称奈良のシカ
文化財種類史跡名勝記念物
文化財種別天然記念物
名称
都道府県
概要

『奈良のシカ』は 、国指定の天然記念物です。

鹿は春日大社の神使とされ、奈良公園の鹿は古くから手厚く保護され、不慮の事故も含め、殺めると厳しい刑罰を受けました。

「大阪の食い倒れ」「京都の着倒れ」「奈良の寝倒れ」という言葉があり、大阪、京都はそれぞれの地域性や、少々のお国自慢を含めたものともとれます。奈良の商家は朝が非常に早いことで知られますが、他の2つとはかなり意味合いが違います。

奈良では、「鹿殺しは死罪」という厳しい刑罰が課されるため、自分の家や店の前でシカが死んでいると、こっそり隣に動かしていき、朝の遅い人や店舗で発見されると死罪になる、「寝ていたら倒れる(死ぬ)」ということからのようです。

落語「鹿政談」では、
奈良の名物といえば、「大仏に、鹿の巻き筆、あられ酒、春日灯篭、町の早起き」なんて言います。
鹿は春日大社のお使いで、神鹿(しんろく)です。徳川時代にはこの鹿に年に三千石の餌料が与えられ、鹿奉行がこの三千石を預り管理していました。

というところから始まり、豆腐屋の六兵衛が商品の「きらず」(おから)を食べている犬に割木を投げ、よほど当たり所が悪かったのかこれが倒れ死んでしまいます。大きな犬と思いましたが、これが角切りされたばかりの神鹿でした。

町中大騒ぎになり出頭の上お白洲へ。奈良町奉行 曲淵甲斐守は、真面目な六兵衛を助けようと
「他所で生まれ鹿殺しが大罪であることを知らなかったのであろう」
「いえ、三条横町で親子三代の豆腐屋でございます。」

「これは鹿に毛並みのよく似た犬であるな?」
という問いに、鹿の守役の塚原出雲が異論を唱えますが、
「なぜ鹿が町をうろつき、きらずなどを盗み食いするようになったのか? 鹿の守役たるそちが、鹿の餌料を横領して町民に高利で貸付け、町民は難儀、鹿が餌不足になっておるゆえであることを奉行は承知しておる。これが鹿であると言い張るならば、そのところから詮議いたさねばならぬがどうか?」
と、塚原出雲に詰め寄ります。

晴れて六兵衛は無罪放免となり、「きらず(切らず)にやるぞ」「へい、まめで帰ります」のオチになるのですが、

こういうのは稀な例で、鹿殺しは死罪にされるほうがのほうが多く、誤って文鎮で鹿を殺してしまった子供が鹿の死骸とともに生き埋めにされる(墓も現存しています)など、奈良の人々にとって鹿は太古から崇高で畏れ敬うべき存在であり、現在でも農地を荒らすなどの、時には疎ましい存在でもあると言えそうです。

Photo:Les cerfs shika de Nara. 奈良のシカ By Photo:奈良のシカ By Photo:奈良のシカ By Photo:奈良のシカ By Photo:奈良のシカ By

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